【厚木市】遅延型アレルギー検査とは|IgG検査の学会見解と市内の検査情報

【厚木市】遅延型アレルギー検査とは|IgG検査の学会見解と市内の検査情報

「遅延型アレルギー検査」という言葉を見かけて、自分や家族の不調の原因が分かるのかと気になった方もいるかもしれません。

厚木市の情報メディア「あつぎロケーション」ライターのさくらこです。市内の医療機関の公式ページと、学会の見解を読み比べました。

検査の位置づけ、市内で確認できたこと、相談の前に聞いておきたいことの順に書きます。

目次

遅延型と呼ばれるIgG抗体の検査とは

「遅延型アレルギー検査」「遅延型フードアレルギー検査」は、一部のクリニックで案内されている名前です。多くは、血液中の食べ物に対するIgG抗体を測る検査を指します。名前に「アレルギー」と入っているのが、いちばん誤解しやすいところ。

わたしもこの言葉を初めて見たとき、遅れて出る症状の原因を調べる検査なのだと思いました。ところが、学会の文書を読むと話が違った。

日本アレルギー学会が示している見解

日本アレルギー学会は、2015年2月25日付の学会見解で、食物抗原特異的IgG抗体検査を、食物アレルギーの原因食品を診断する方法としては推奨しない、としています。理由は次の4点です。

  • 食物アレルギーのない健康な人にも存在する抗体
  • 食物経口負荷試験の結果と一致しない
  • IgGの量は食物の摂取量に比例しているだけ
  • 陽性を根拠にした食物除去は健康被害のおそれ

2019年12月13日の更新では、対象に「IgG4などのサブクラス抗体」の検査も含まれると書かれました。推奨しないという結論は、そのまま維持された。

遅れて出る症状とIgG検査は別物

食べてから時間がたって症状が出ること自体は、医学的にあり得ます。学会が示しているのは、IgG検査で原因食品を診断することは、学会が推奨していないという点です。

遅れて症状が出ると、原因を知りたくなりますよね。ただ、「遅れて出るならIgG検査で分かる」という図式は、学会の見解とは重ならない。

さくらこ

名前だけで、検査を決めつけない

食物アレルギーの分類は二通りある

日本小児アレルギー学会の食物アレルギー診療ガイドライン2021には、食物アレルギーの分け方が二通り載っています。

免疫の仕組みによる分類

IgE依存性と、非IgE依存性に分けられます。

症状が出るまでの時間による分類

即時型反応と、非即時型反応に分けられます。

IgE依存性の反応は多くが即時型だが、両者は必ずしも一致しない。

「遅延型」と「IgG」を結びつける分け方は、わたしが読んだ範囲のガイドラインの要旨には載っていませんでした。

食物アレルギーの診断で使われる検査

日本アレルギー学会の市民向けQ&Aには、原因の食品と症状の関連を明らかにすることが診断につながる、と書かれている。

血液検査では、特異的IgE抗体で食べ物に感作されているか(その食べ物に対する抗体ができている状態か)を確認できます。ただ、血液検査だけでは診断できず、確定診断には食物経口負荷試験が必要とされています。

食べて症状が出るかを確かめる検査で、最初は少量から。管理の基本は、必要最小限の除去とされています。

厚木市内の公式ページで見つけた検査

2026年10月6日時点で、厚木市内の医療機関の公式ページに載っていたアレルギー検査を表にしました。市内の全院ではなく、検査の内容を公式ページで読めた院だけです。

医療機関公式ページで確認できた検査IgG検査の記載
佐々木内科クリニック(水引)血液検査のセット検査「VIEWアレルギー39」。吸入系と食事系の39項目。非特異的IgEや好酸球数を追加することもある。症状があり原因が特定できない方は保険適用と案内確認できませんでした
本厚木かかりつけクリニック(中町)少量の採血で行う血清特異的IgE検査確認できませんでした
クリニック原(愛甲)血液検査(IgE抗体と好酸球の数値)と皮膚テスト。食物アレルギーが疑われる場合は、食物除去テストのうえ負荷テスト確認できませんでした
大森耳鼻咽喉科医院(寿町)血液検査の特異的IgE抗体測定、指先採血の迅速キット(8種類・約20分)、皮膚試験、鼻粘膜誘発試験など確認できませんでした
トレリス内科クリニック(戸室)指先採血で約20分の検査。イヌ・ネコ・ダニ・スギなど、ハウスダスト系と花粉系の8種類が対象(案内に食物の項目は載っていない)確認できませんでした
あおぞらこどもクリニック(戸室)食物アレルギーは血液検査や皮膚テストで補助的に診断し、最も確実なのは経口負荷試験と案内確認できませんでした

この表の検査は、いずれも結果だけで食物アレルギーの原因を確定するものではない。

ほかにもアレルギー科を掲げる院はありますが、公式ページから検査の内容を読み取れなかったため、表には載せていません。検査の有無や費用は、各院にお問い合わせください。

市内で遅延型検査の記載は確認できず

2026年10月時点で、今回確認した厚木市内の医療機関の公式ページでは、食物抗原特異的IgG抗体検査(遅延型検査)を実施しているとの記載を確認できませんでした。

公式ページに載っていないことは、実施していない証明にはなりません。そのため「受けられない」とは書きません。市外で実施している医療機関も、この記事では紹介しない。

相談の前に医療機関へ聞いておくこと

アレルギーの症状で相談したいときは、「いつ、何を食べたあとに、どんな症状が出たか」を先にメモしておくと、話が進みやすいです。

STEP
症状と食べたものを書く

いつ、何を食べて、どんな症状が出たかを書き留めます。

STEP
対象の症状を聞く

相談したい症状が検査の対象になるかを、受診の前に聞きます。

STEP
検査の種類を聞く

どんな検査を行うのか、検査の名前と調べる項目を聞きます。

STEP
保険と費用を聞く

保険診療になるのか自費診療なのか、費用はいくらかを聞きます。

息苦しさや、ぐったりして意識がはっきりしないなど、命にかかわるおそれのある症状が出たときは、検査の相談より先に救急車を呼ぶなど、速やかな対応を。

検査の結果を見て、自己判断で多くの食べ物をやめるのは避けたいです。学会は、原因ではない食品まで除去してしまう心配を挙げています。

遅延型アレルギー検査で迷っている方へ

「遅延型アレルギー検査」で検索したあなたは、原因の分からない不調が気になっているのかもしれません。

調べてみて、名前から受ける印象と学会の見解との距離に驚いた。検査の名前よりも、症状と食べたものの関係を見るほうが近道かな、と感じています。

今日できる一歩は、気になる症状が出た日と、その前に食べたものを、一つだけメモに残すこと。医療機関で話すときの手がかりになって、気持ちも少し軽くなるとうれしいです。無理のない一つから、始めてみてくださいね。

情報は更新時点のものです。最新情報は公式サイトもあわせてご確認ください。

この記事を書いた人

「あつぎロケーション」編集長・さくらこ

厚木市在住のさくらこです。地域情報メディア『あつぎロケーション』で、暮らしに役立つ地元情報をわかりやすく発信しています。

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